この法律は、日本国憲法第九十六条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)について、国民の承認に係る投票(以下「国民投票」という。)に関する手続を定めるとともに、あわせて憲法改正の発議に係る手続の整備を行うものとする。
日本国憲法の改正手続に関する法律 抄
第一章 総則
第二章 国民投票の実施
第一節 総則
国民投票は、国会が憲法改正を発議した日(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第六十八条の五第一項の規定により国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正の発議をし、国民に提案したものとされる日をいう。第百条の二において同じ。)から起算して六十日以後百八十日以内において、国会の議決した期日に行う。
内閣は、国会法第六十五条第一項の規定により国民投票の期日に係る議案の送付を受けたときは、速やかに、総務大臣を経由して、当該国民投票の期日を中央選挙管理会に通知しなければならない。
中央選挙管理会は、前項の通知があったときは、速やかに、国民投票の期日を官報で告示しなければならない。
日本国民で年齢満十八年以上の者は、国民投票の投票権を有する。
国民投票は、全都道府県の区域を通じて行う。
公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第十七条 及び第十八条の規定は、国民投票の投票区 及び開票区について準用する。
国民投票の執行に関する事務は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、中央選挙管理会が管理する。
公職選挙法第五条の三から第五条の五までの規定は、国民投票の執行に関する事務について準用する。
公職選挙法第七条の規定は、国民投票の取締りに関する規定の執行について準用する。
交通至難の島 その他の地において、この法律の規定を適用し難い事項については、政令で特別の規定を設けることができる。
第二節 国民投票広報協議会及び国民投票に関する周知
国民投票広報協議会(以下この節において「協議会」という。)については、国会法に定めるもののほか、この節の定めるところによる。
協議会の委員(以下この節において「委員」という。)は、協議会が存続する間、その任にあるものとする。
委員の員数は、憲法改正の発議がされた際 衆議院議員であった者 及び当該発議がされた際参議院議員であった者各十人とし、その予備員の員数は、当該発議がされた際 衆議院議員であった者 及び当該発議がされた際 参議院議員であった者各十人とする。
委員は、各議院における各会派の所属議員数の比率により、各会派に割り当て選任する。
ただし、各会派の所属議員数の比率により各会派に割り当て選任した場合には憲法改正の発議に係る議決において反対の表決を行った議員の所属する会派から委員が選任されないこととなるときは、各議院において、当該会派にも委員を割り当て選任するようできる限り配慮するものとする。
前項の規定は、予備員の選任について準用する。
委員に事故のある場合 又は委員が欠けた場合は、憲法改正の発議がされた際にその者の属していた議院の議員であった予備員のうちから協議会の会長が指名する者が、その委員の職務を行う。
協議会の会長は、協議会の議事を整理し、秩序を保持し、協議会を代表する。
協議会は、次に掲げる事務を行う。
国会の発議に係る日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)及びその要旨 並びに憲法改正案に係る新旧対照表 その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明 並びに憲法改正案を発議するに当たって出された賛成意見 及び反対意見を掲載した国民投票公報の原稿の作成
第六十五条の憲法改正案の要旨の作成
第百六条 及び第百七条の規定によりその権限に属する事務
前三号に掲げるもののほか憲法改正案の広報に関する事務
協議会が、前項第一号、第二号 及び第四号の事務を行うに当たっては、憲法改正案 及びその要旨 並びに憲法改正案に係る新旧対照表 その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明に関する記載等については客観的かつ中立的に行うとともに、憲法改正案に対する賛成意見 及び反対意見の記載等については公正かつ平等に扱うものとする。
協議会は、憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった委員 及び当該発議がされた際参議院議員であった委員がそれぞれ七人以上出席しなければ、議事を開き議決することができない。
協議会の議事は、出席委員の三分の二以上の多数で決する。
協議会に事務局を置く。
事務局に参事 その他の職員を置き、参事のうち一人を事務局長とする。
事務局長は、協議会の会長の監督を受けて、庶務を掌理し、他の職員を指揮監督する。
事務局長以外の職員は、上司の命を受けて、庶務に従事する。
事務局長 その他の職員は、協議会の会長が両議院の議長の同意 及び両議院の議院運営委員会の承認を得て、任免する。
前各項に定めるもののほか、事務局に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定める。
この節に定めるもののほか、協議会に関する事項は、両議院の議長が協議して定める。
協議会は、第十四条第一項第一号の国民投票公報の原稿を作成したときは、これを国民投票の期日前三十日までに中央選挙管理会に送付しなければならない。
中央選挙管理会は、前項の国民投票公報の原稿の送付があったときは、速やかに、その写しを都道府県の選挙管理委員会に送付しなければならない。
都道府県の選挙管理委員会は、前項の国民投票公報の原稿の写しの送付があったときは、速やかに、国民投票公報を印刷しなければならない。
この場合においては、当該写しを原文のまま印刷しなければならない。
公職選挙法第百七十条第一項本文 及び第二項の規定は、国民投票公報の配布について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「当該選挙に用うべき選挙人名簿」とあるのは
「投票人名簿」と、
「選挙の期日前二日」とあるのは
「国民投票の期日前十日」と、
同条第二項中
「選挙人」とあるのは
「投票人」と
読み替えるものとする。
総務大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会 及び市町村の選挙管理委員会は、国民投票に際し、国民投票の方法、この法律に規定する規制 その他国民投票の手続に関し必要と認める事項を投票人に周知させなければならない。
中央選挙管理会は、国民投票の結果を国民に対して速やかに知らせるように努めなければならない。
投票人に対しては、特別の事情がない限り、国民投票の当日、その投票権を行使するために必要な時間を与えるよう措置されなければならない。
第三節 投票人名簿
市町村の選挙管理委員会は、国民投票が行われる場合においては、投票人名簿を調製しなければならない。
投票人名簿は、政令で定めるところにより、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。
国民投票を行う場合において必要があるときは、投票人名簿の抄本(前項の規定により磁気ディスクをもって投票人名簿を調製している市町村の選挙管理委員会にあっては、当該投票人名簿に記録されている全部 若しくは一部の事項 又は当該事項を記載した書類。以下同じ。)を用いることができる。
第一項の規定により調製された投票人名簿は、当該国民投票に限り、その効力を有する。
投票人名簿には、投票人の氏名、住所、性別 及び生年月日等の記載(前条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録)をしなければならない。
投票人名簿は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、その投票区ごとに編製しなければならない。
前二項に規定するもののほか、投票人名簿の様式 その他必要な事項は、政令で定める。
投票人名簿の登録は、国民投票の期日現在で年齢満十八年以上の日本国民で、次のいずれかに該当するものについて行う。
国民投票の期日前五十日に当たる日(以下「登録基準日」という。)において、当該市町村の住民基本台帳に記録されている者
登録基準日の翌日から十四日以内に当該市町村の住民基本台帳に記録された者であって、登録基準日においていずれの市町村の住民基本台帳にも記録されていないもの(登録基準日後当該住民基本台帳に記録された日までの間に他の市町村の住民基本台帳に記録されたことがある者 及び当該住民基本台帳に記録された日においていずれかの市町村の在外投票人名簿に登録されている者を除く。)
市町村の選挙管理委員会は、政令で定めるところにより、当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を調査し、その者を投票人名簿に登録するための整理をしておかなければならない。
市町村の選挙管理委員会は、中央選挙管理会が定めるところにより、当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を投票人名簿に登録しなければならない。
投票人は、投票人名簿の登録に関し不服があるときは、中央選挙管理会が定める期間内に、文書で当該市町村の選挙管理委員会に異議を申し出ることができる。
公職選挙法第二十四条第二項の規定は、前項の異議の申出について準用する。
行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第九条第四項、第十九条第二項(第三号 及び第五号を除く。)、第二十三条、第二十四条、第二十七条、第三十一条(第五項を除く。)、第三十二条第一項 及び第三項、
第三十九条、第四十一条第一項 及び第二項、第四十四条 並びに第五十三条の規定は、第一項の異議の申出について準用する。
この場合において、
これらの規定(同法第四十四条の規定を除く。)中
「審理員」とあるのは
「審査庁」と、
同法第九条第四項中
「審査庁」とあるのは
「日本国憲法の改正手続に関する法律第二十五条第一項の異議の申出を受けた選挙管理委員会(以下「審査庁」という。)」と、
同法第二十四条第一項中
「第四十五条第一項 又は第四十九条第一項の規定に基づき、裁決で」とあるのは
「決定で」と、
同法第三十一条第二項中
「審理関係人」とあるのは
「異議申出人」と、
同法第四十四条中
「行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号 又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号 又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号 又は第三号に規定する議を経たとき)」とあるのは
「審理手続を終結したとき」と
読み替えるものとする。
公職選挙法第二百十四条の規定は、第一項の異議の申出について準用する。
公職選挙法第二十五条第一項から第三項までの規定は、投票人名簿の登録に関する訴訟について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「前条第二項」とあるのは、
「日本国憲法の改正手続に関する法律第二十五条第二項において準用する前条第二項」と
読み替えるものとする。
公職選挙法第二百十三条、第二百十四条 及び第二百十九条第一項の規定は、前項において準用する同法第二十五条第一項 及び第三項の訴訟について準用する。
この場合において、
同法第二百十九条第一項中
「一の選挙の効力を争う数個の請求、第二百七条 若しくは第二百八条の規定により一の選挙における当選の効力を争う数個の請求、第二百十条第二項の規定により公職の候補者であつた者の当選の効力を争う数個の請求、第二百十一条の規定により公職の候補者等であつた者の当選の効力 若しくは立候補の資格を争う数個の請求 又は選挙の効力を争う請求と その選挙における当選の効力に関し第二百七条 若しくは第二百八条の規定によりこれを争う請求と」とあるのは、
「一の市町村の選挙管理委員会が行う投票人名簿の登録に関し争う数個の請求」と
読み替えるものとする。
市町村の選挙管理委員会は、第二十三条の規定により投票人名簿の登録をした日後 国民投票の期日までの間、当該登録の際に投票人名簿に登録される資格を有し、かつ、引き続きその資格を有する者が投票人名簿に登録されていないことを知った場合には、その者を直ちに投票人名簿に登録し、その旨を告示しなければならない。
市町村の選挙管理委員会は、投票人名簿に登録されている者の記載内容(第二十条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録内容)に変更があったこと 又は誤りがあることを知った場合には、直ちにその記載(同項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録)の修正 又は訂正をしなければならない。
市町村の選挙管理委員会は、当該市町村の投票人名簿に登録されている者について次の場合に該当するに至ったときは、これらの者を直ちに投票人名簿から抹消しなければならない。
この場合において、第二号の場合に該当するときは、その旨を告示しなければならない。
死亡したこと 又は日本の国籍を失ったことを知ったとき。
登録の際に登録されるべきでなかったことを知ったとき。
市町村の選挙管理委員会は、第二十五条第一項の規定により中央選挙管理会が定める期間、特定の者が投票人名簿に登録された者であるかどうかの確認を行うために、投票人から投票人名簿の抄本を閲覧することが必要である旨の申出があった場合には、当該確認に必要な限度において、当該申出をした投票人に投票人名簿の抄本を閲覧させなければならない。
前項の申出は、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
ただし、総務省令で定める場合には、第三号に定める事項については、この限りでない。
投票人名簿の抄本の閲覧の申出をする者(第四項 及び次条において「申出者」という。)の氏名 及び住所
投票人名簿の抄本の閲覧により知り得た事項(以下この条 及び次条において「閲覧事項」という。)の利用の目的(次条において「利用目的」という。)
前三号に掲げるもののほか、総務省令で定める事項
第一項の規定にかかわらず、市町村の選挙管理委員会は、閲覧事項を不当な目的に利用されるおそれがあること、閲覧事項を適切に管理することができないおそれがあること その他同項の申出に係る閲覧を拒むに足りる相当な理由があると認めるときは、当該申出に係る閲覧を拒むことができる。
申出者は、本人の事前の同意を得ないで、当該閲覧事項を利用目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない。
市町村の選挙管理委員会は、申出者が偽り その他不正の手段により前条第一項の規定による投票人名簿の抄本の閲覧をした場合 又は前項の規定に違反した場合において、個人の権利利益を保護するため必要があると認めるときは、当該申出者に対し、当該閲覧事項が利用目的以外の目的で利用され、又は第三者に提供されないようにするための措置を講ずることを勧告することができる。
市町村の選挙管理委員会は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置を講じなかった場合において、個人の権利利益が不当に侵害されるおそれがあると認めるときは、その者に対し、その勧告に係る措置を講ずることを命ずることができる。
市町村の選挙管理委員会は、前二項の規定にかかわらず、申出者が偽り その他不正の手段により前条第一項の規定による投票人名簿の抄本の閲覧をした場合 又は第一項の規定に違反した場合において、個人の権利利益が不当に侵害されることを防止するため特に措置を講ずる必要があると認めるときは、当該申出者に対し、当該閲覧事項が利用目的以外の目的で利用され、又は第三者に提供されないようにするための措置を講ずることを命ずることができる。
市町村の選挙管理委員会は、前条 及びこの条の規定の施行に必要な限度において、申出者に対し、必要な報告をさせることができる。
市町村の選挙管理委員会は、その定めるところにより、国民投票の期日後遅滞なく、前条第一項の申出に係る投票人名簿の抄本の閲覧(総務省令で定めるものを除く。)の状況について、申出者の氏名 及び利用目的の概要 その他総務省令で定める事項を公表するものとする。
市町村の選挙管理委員会は、前条第一項の規定により閲覧させる場合を除いては、投票人名簿の抄本を閲覧させてはならない。
公職選挙法第二十九条の規定は、投票人名簿に登録される資格の確認に関する通報 及び投票人名簿の修正に関する調査の請求について準用する。
公職選挙法第三十条の規定は、投票人名簿の再調製について準用する。
投票人名簿 及び投票人名簿の抄本は、第百二十七条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日 又は国民投票の期日から五年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、市町村の選挙管理委員会において保存しなければならない。
第四節 在外投票人名簿
市町村の選挙管理委員会は、国民投票が行われる場合においては、投票人名簿のほか、在外投票人名簿を調製しなければならない。
在外投票人名簿は、政令で定めるところにより、磁気ディスクをもって調製することができる。
国民投票を行う場合において必要があるときは、在外投票人名簿の抄本(前項の規定により磁気ディスクをもって在外投票人名簿を調製している市町村の選挙管理委員会にあっては、当該在外投票人名簿に記録されている全部 若しくは一部の事項 又は当該事項を記載した書類。以下同じ。)を用いることができる。
第一項の規定により調製された在外投票人名簿は、当該国民投票に限り、その効力を有する。
在外投票人名簿には、投票人の氏名、最終住所(投票人が国外へ住所を移す直前に住民票に記載されていた住所をいう。以下同じ。)又は申請の時(第三十七条第一項第一号に掲げる者にあっては投票人が公職選挙法第三十条の五第一項の規定による申請書を同条第二項に規定する領事官 又は同項に規定する総務省令・外務省令で定める者に提出した時をいい、第三十七条第一項第二号に掲げる者にあっては投票人が第三十六条第一項の規定による申請書を同条第二項に規定する領事官 又は同項に規定する総務省令・外務省令で定める者に提出した時をいう。同条第一項 及び第三項において同じ。)における本籍、性別 及び生年月日等の記載(前条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製する在外投票人名簿にあっては、記録)をしなければならない。
市町村の選挙管理委員会は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、政令で定めるところにより、在外投票人名簿を編製する投票区(以下「指定在外投票区」という。)を指定しなければならない。
前二項に規定するもののほか、在外投票人名簿の様式 その他必要な事項は、政令で定める。
在外投票人名簿の登録は、国民投票の期日現在で年齢満十八年以上の日本国民で、次のいずれかに該当するものについて行う。
登録基準日において当該市町村の在外選挙人名簿(公職選挙法第四章の二の在外選挙人名簿をいう。次条第四項 及び第三十七条第一項第一号において同じ。)に登録されている者(登録基準日においていずれかの市町村の住民基本台帳に記録されている者を除く。)
次条第一項の規定により在外投票人名簿の登録の申請をした者(在外投票人名簿の登録を行おうとする日においていずれかの市町村の投票人名簿 又は在外投票人名簿に登録されている者を除く。)
次条第一項の規定により在外投票人名簿の登録の申請をした者(在外投票人名簿の登録を行おうとする日においていずれかの市町村の投票人名簿 又は在外投票人名簿に登録されている者を除く。)
国民投票の期日現在で年齢満十八年以上の日本国民で、国外に住所を有するものは、政令で定めるところにより、文書で、最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に在外投票人名簿の登録の申請をすることができる。
前項の規定による申請は、政令で定めるところにより、第二条第三項 又は第百三十五条第五項の規定により中央選挙管理会が国民投票の期日を告示した日から登録基準日(登録基準日前十日に当たる日から登録基準日までの間に国内の市町村から国外へ転出(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十五条の三第一項に規定する転出をいう。)をした者にあっては、登録基準日後七日に当たる日)までの間に、前項の規定による申請書を、在外投票人名簿の登録の申請に関し当該申請をする者の住所を管轄する領事官(領事官の職務を行う大使館 若しくは公使館の長 又はその事務を代理する者を含む。以下この節において同じ。)(当該領事官を経由して申請を行うことが著しく困難である地域として総務省令・外務省令で定める地域にあっては、総務省令・外務省令で定める者。以下この節において同じ。)に提出し、当該領事官を経由してしなければならない。
前項の場合において、領事官は、政令で定めるところにより、第一項の規定による申請書にその申請をした者の在外投票人名簿に登録される資格に関する意見を付して、直ちに、当該申請をした者の最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(当該申請をした者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に送付しなければならない。
登録基準日までの間に、公職選挙法第三十条の五第一項の規定による申請書を同条第二項に規定する領事官 又は同項に規定する総務省令・外務省令で定める者に提出した者(登録基準日において同条第三項第二号に規定する三箇月を経過していない者 及び在外選挙人名簿に登録されている者を除く。)については、当該申請を第一項の規定による申請とみなす。
市町村の選挙管理委員会は、次の各号に掲げる者が当該市町村の在外投票人名簿に登録される資格を有する者である場合には、中央選挙管理会が定めるところにより、当該各号に掲げる者を在外投票人名簿に登録しなければならない。
登録基準日において当該市町村の在外選挙人名簿に登録されている者
前条第一項の規定による申請をした者
登録基準日の翌日から第三十九条第一項の規定により中央選挙管理会が定める期間の開始の日の前日までの間に在外選挙人名簿への登録の移転がされた者
市町村の選挙管理委員会は、国民投票の期日前十五日に当たる日以後においては、前項の規定にかかわらず、登録を行わない。
市町村の選挙管理委員会は、第一項第二号に掲げる者について同項の規定による登録をしたときは、前条第三項の規定により同条第一項の規定による申請書を送付した領事官を経由して、同項の規定による申請をした者に、在外投票人名簿に登録されている者であることの証明書(以下「在外投票人証」という。)を交付しなければならない。
ただし、同条第四項の規定により公職選挙法第三十条の五第一項の規定による申請を前条第一項の規定による申請とみなされた場合は、この限りでない。
前項本文の規定により交付された在外投票人証は、当該国民投票に限り、その効力を有する。
投票人は、在外投票人名簿の登録に関し不服があるときは、中央選挙管理会が定める期間内に、文書で当該市町村の選挙管理委員会に異議を申し出ることができる。
公職選挙法第二十四条第二項の規定は、前項の異議の申出について準用する。
行政不服審査法第九条第四項、第十九条第二項(第三号 及び第五号を除く。)、第二十三条、第二十四条、第二十七条、第三十一条(第五項を除く。)、第三十二条第一項 及び第三項、第三十九条、第四十一条第一項 及び第二項、第四十四条 並びに第五十三条の規定は、第一項の異議の申出について準用する。
この場合において、
これらの規定(同法第四十四条の規定を除く。)中
「審理員」とあるのは
「審査庁」と、
同法第九条第四項中
「審査庁」とあるのは
「日本国憲法の改正手続に関する法律第三十九条第一項の異議の申出を受けた選挙管理委員会(以下「審査庁」という。)」と、
同法第二十四条第一項中
「第四十五条第一項 又は第四十九条第一項の規定に基づき、裁決で」とあるのは
「決定で」と、
同法第三十一条第二項中
「審理関係人」とあるのは
「異議申出人」と、
同法第四十四条中
「行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号 又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号 又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号 又は第三号に規定する議を経たとき)」とあるのは
「審理手続を終結したとき」と
読み替えるものとする。
公職選挙法第二百十四条の規定は、第一項の異議の申出について準用する。
公職選挙法第二十五条第一項から第三項までの規定は、在外投票人名簿の登録に関する訴訟について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「前条第二項」とあるのは
「日本国憲法の改正手続に関する法律第三十九条第二項において準用する前条第二項」と、
「七日」とあるのは
「七日(政令で定める場合には、郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者、同条第九項に規定する特定信書便事業者 若しくは同法第三条第四号に規定する外国信書便事業者による同法第二条第二項に規定する信書便による送付に要した日数を除く。)」と
読み替えるものとする。
公職選挙法第二百十三条、第二百十四条 及び第二百十九条第一項の規定は、前項において準用する同法第二十五条第一項 及び第三項の訴訟について準用する。
この場合において、
同法第二百十九条第一項中
「一の選挙の効力を争う数個の請求、第二百七条 若しくは第二百八条の規定により一の選挙における当選の効力を争う数個の請求、第二百十条第二項の規定により公職の候補者であつた者の当選の効力を争う数個の請求、第二百十一条の規定により公職の候補者等であつた者の当選の効力 若しくは立候補の資格を争う数個の請求 又は選挙の効力を争う請求と その選挙における当選の効力に関し第二百七条 若しくは第二百八条の規定によりこれを争う請求と」とあるのは、
「一の市町村の選挙管理委員会が行う在外投票人名簿の登録に関し争う数個の請求」と
読み替えるものとする。
市町村の選挙管理委員会は、在外投票人名簿に登録されている者の記載内容(第三十三条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製する在外投票人名簿にあっては、記録内容)に変更があったこと 又は誤りがあることを知った場合には、直ちにその記載(同項の規定により磁気ディスクをもって調製する在外投票人名簿にあっては、記録)の修正 又は訂正をしなければならない。
市町村の選挙管理委員会は、当該市町村の在外投票人名簿に登録されている者について次の場合に該当するに至ったときは、これらの者を直ちに在外投票人名簿から抹消しなければならない。
この場合において、第二号に掲げる場合に該当するときは、その旨を告示しなければならない。
死亡したこと 又は日本の国籍を失ったことを知ったとき。
登録の際に登録されるべきでなかったことを知ったとき。
第二十九条の二 及び第二十九条の三の規定は、在外投票人名簿について準用する。
この場合において、
第二十九条の二第一項中
「第二十五条第一項」とあるのは、
「第三十九条第一項」と
読み替えるものとする。
市町村長は、その市町村に本籍を有する者で他の市町村の在外投票人名簿に登録されているもの(以下この項において「他市町村在外投票人名簿登録者」という。)について戸籍に関する届書、申請書 その他の書類を受理し 若しくは職権で戸籍の記載をした場合 又は戸籍の附票の記載、消除 若しくは記載の修正をした場合において、当該他の市町村の選挙管理委員会において在外投票人名簿の修正 若しくは訂正をすべきこと 又は当該他市町村在外投票人名簿登録者を在外投票人名簿から抹消すべきことを知ったときは、遅滞なく、その旨を当該他の市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
公職選挙法第二十九条の規定は、在外投票人名簿に登録される資格の確認に関する通報 及び在外投票人名簿の修正に関する調査の請求について準用する。
公職選挙法第三十条の規定は、在外投票人名簿の再調製について準用する。
第三十二条の規定は、在外投票人名簿 及び在外投票人名簿抄本の保存について準用する。
第三十五条から第三十七条まで 及び第三十九条から前条までに規定するもののほか、在外投票人名簿の登録に関し必要な事項は、政令で定める。
第五節 投票及び開票
投票は、国民投票に係る憲法改正案ごとに、一人一票に限る。
国民投票ごとに、投票管理者を置く。
投票管理者は、国民投票の投票権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会の選任した者をもって、これに充てる。
投票管理者は、投票に関する事務を担任する。
投票管理者は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。
市町村の選挙管理委員会は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、政令で定めるところにより一以上の投票区を指定し、当該指定した投票区の投票管理者に、政令で定めるところにより、当該投票区以外の投票区に属する投票人がした第六十一条の規定による投票に関する事務のうち政令で定めるものを行わせることができる。
市町村の選挙管理委員会は、各投票区における投票人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、二人以上五人以下の投票立会人を選任し、国民投票の期日前三日までに、本人に通知しなければならない。
投票立会人で参会する者が投票所を開くべき時刻になっても二人に達しないとき 又はその後二人に達しなくなったときは、投票管理者は、その投票区における投票人名簿に登録された者の中から二人に達するまでの投票立会人を選任し、直ちにこれを本人に通知し、投票に立ち会わせなければならない。
同一の政党 その他の政治団体に属する者は、一の投票区において、二人以上を投票立会人に選任することができない。
投票立会人は、正当な理由がなければ、その職を辞することができない。
投票所は、市役所、町村役場 又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。
投票所は、午前七時に開き、午後八時に閉じる。
ただし、市町村の選挙管理委員会は、投票人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合又は投票人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り、投票所を開く時刻を二時間以内の範囲内において繰り上げ 若しくは繰り下げ、又は投票所を閉じる時刻を四時間以内の範囲内において繰り上げることができる。
市町村の選挙管理委員会は、前項ただし書の場合においては、直ちにその旨を告示するとともに、これをその投票所の投票管理者に通知し、かつ、直ちにその旨を都道府県の選挙管理委員会に届け出なければならない。
市町村の選挙管理委員会は、国民投票の期日から少なくとも五日前に、投票所を告示しなければならない。
天災 その他避けることのできない事故により前項の規定により告示した投票所を変更したときは、国民投票の当日を除くほか、市町村の選挙管理委員会は、同項の規定にかかわらず、直ちにその旨を告示しなければならない。
市町村の選挙管理委員会は、投票人の投票の便宜のため必要があると認める場合(当該市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合に限る。)には、投票所のほか、その指定した場所に、当該市町村の区域内のいずれの投票区に属する投票人も投票をすることができる共通投票所を設けることができる。
市町村の選挙管理委員会は、前項の規定により共通投票所を設ける場合には、投票所において投票をした投票人が共通投票所において投票をすること 及び共通投票所において投票をした投票人が投票所 又は他の共通投票所において投票をすることを防止するために必要な措置を講じなければならない。
天災 その他避けることのできない事故により、共通投票所において投票を行わせることができないときは、市町村の選挙管理委員会は、当該共通投票所を開かず、又は閉じるものとする。
市町村の選挙管理委員会は、前項の規定により共通投票所を開かず、又は閉じる場合には、直ちにその旨を告示しなければならない。
第一項の規定により共通投票所を設ける場合における次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第四十九条第一項 | 登録された者 | 登録された者(共通投票所にあっては、国民投票の投票権を有する者) |
第四十九条第二項 | 投票所 | 投票所 又は共通投票所 |
登録された者 | 登録された者(共通投票所にあっては、国民投票の投票権を有する者) | |
第四十九条第三項 | 投票区 | 投票所 又は一の共通投票所 |
次条第一項ただし書、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十七条第一項 及び第五十九条第二項 | 投票所 | 投票所 又は共通投票所 |
第六十四条 | 第七十四条 | 第七十四条(第五十二条の二第六項において準用する 場合を含む。) |
投票所外 | 投票所外 又は共通投票所外 | |
第六十四条ただし書 | 投票所 | 投票所 又は共通投票所 |
第六十五条第一項 | 投票所内 | 投票所内 及び共通投票所内 |
第六十五条第一項ただし書 及び第六十七条第一項 | 投票所 | 投票所 又は共通投票所 |
第八十条第二項 | 各投票所 | 各投票所、共通投票所 |
前二条 及び第七十二条から第七十四条までの規定は、共通投票所について準用する。
この場合において、
第五十一条第一項ただし書中
「投票人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合 又は投票人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り」とあるのは
「必要があると認めるときは」と、
「若しくは」とあるのは
「若しくは当該時刻を」と、
「時刻を四時間以内の範囲内において」とあるのは
「時刻を」と
読み替えるものとする。
第一項の規定により共通投票所を設ける場合において、第七十条 又は第七十一条第一項の規定により投票の期日を定めたときにおける次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第四十九条第一項 | 登録された者 | 登録された者(共通投票所にあっては、国民投票の投票権を有する者) |
第四十九条第二項 | 投票所 | 投票所 又は共通投票所 |
登録された者 | 登録された者(共通投票所にあっては、国民投票の投票権を有する者) | |
第四十九条第三項 | 投票区 | 投票所 又は一の共通投票所 |
次条第一項ただし書、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十七条第一項 及び第五十九条第二項 | 投票所 | 投票所 又は共通投票所 |
第六十四条 | 第七十四条 | 第七十四条(第五十二条の二第六項において準用する 場合を含む。) |
投票所外 | 投票所外 又は共通投票所外 | |
第六十四条ただし書 | 投票所 | 投票所 又は共通投票所 |
第六十五条第一項 | 投票所内 | 投票所内 及び共通投票所内 |
第六十五条第一項ただし書 及び第六十七条第一項 | 投票所 | 投票所 又は共通投票所 |
第八十条第二項 | 各投票所 | 各投票所、共通投票所 |
前各項に定めるもののほか、共通投票所に関し必要な事項は、政令で定める。
投票人名簿 又は在外投票人名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。
ただし、投票人名簿に登録されるべき旨の決定書 又は確定判決書を所持し、国民投票の当日投票所に至る者があるときは、投票管理者は、その者に投票をさせなければならない。
投票人名簿 又は在外投票人名簿に登録された者であっても投票人名簿 又は在外投票人名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。
国民投票の当日(第六十条の規定による投票にあっては、当該投票の当日)、国民投票の投票権を有しない者は、投票をすることができない。
投票人は、国民投票の当日、自ら投票所に行き、投票をしなければならない。
投票人は、投票人名簿 又はその抄本(当該投票人名簿が第二十条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製されている場合には、当該投票人名簿に記録されている全部 若しくは一部の事項 又は当該事項を記載した書類。第六十九条 及び第七十条において同じ。)の対照を経なければ、投票をすることができない。
投票用紙は、国民投票の当日、投票所において投票人に交付しなければならない。
投票用紙には、賛成の文字 及び反対の文字を印刷しなければならない。
投票用紙は、別記様式(第六十一条第一項、第二項 及び第四項 並びに第六十二条の規定による投票の場合にあっては、政令で定める様式)に準じて調製しなければならない。
投票人は、投票所において、憲法改正案に対し賛成するときは投票用紙に印刷された賛成の文字を囲んで○の記号を自書し、憲法改正案に対し反対するときは投票用紙に印刷された反対の文字を囲んで○の記号を自書し、これを投票箱に入れなければならない。
投票用紙には、投票人の氏名を記載してはならない。
投票人は、点字による投票を行う場合においては、投票用紙に、憲法改正案に対し賛成するときは賛成と、憲法改正案に対し反対するときは反対と自書するものとする。
前項の場合においては、政令で定める点字は文字とみなし、投票用紙の様式 その他必要な事項は、政令で定める。
心身の故障 その他の事由により、自ら○の記号を記載することができない投票人は、第五十七条第一項、第六十三条第四項 及び第五項 並びに第八十二条の規定にかかわらず、投票管理者に申請し、代理投票をさせることができる。
前項の規定による申請があった場合においては、投票管理者は、投票立会人の意見を聴いて、投票所の事務に従事する者のうちから当該投票人の投票を補助すべき者二人を定め、その一人に投票の記載をする場所において投票用紙に当該投票人が指示する賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載させ、他の一人をこれに立ち会わせなければならない。
前二項の場合において必要な事項は、政令で定める。
国民投票の当日に次に掲げる事由のいずれかに該当すると見込まれる投票人の投票については、第五十五条第一項の規定にかかわらず、国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日の前日までの間、期日前投票所において、行わせることができる。
職務 若しくは業務 又は総務省令で定める用務に従事すること。
用務(前号の総務省令で定めるものを除く。)又は事故のためその属する投票区の区域外に旅行 又は滞在をすること。
疾病、負傷、妊娠、老衰 若しくは身体の障害のため若しくは産褥にあるため歩行が困難であること 又は刑事施設、労役場、監置場、少年院 若しくは少年鑑別所に収容されていること。
交通至難の島 その他の地で総務省令で定める地域に居住していること 又は当該地域に滞在をすること。
その属する投票区のある市町村の区域外の住所に居住していること。
市町村の選挙管理委員会は、二以上の期日前投票所を設ける場合には、一の期日前投票所において投票をした投票人が他の期日前投票所において投票をすることを防止するために必要な措置を講じなければならない。
天災 その他避けることのできない事故により、期日前投票所において投票を行わせることができないときは、市町村の選挙管理委員会は、期日前投票所を開かず、又は閉じるものとする。
市町村の選挙管理委員会は、前項の規定により期日前投票所を開かず、又は閉じる場合には、直ちにその旨を告示しなければならない。
市町村の選挙管理委員会が当該期日前投票所を開く場合も、同様とする。
第一項の規定により期日前投票所において投票を行わせる場合における次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とし、第四十八条第五項 及び第七十一条の規定は、適用しない。
第四十九条第一項 | 各投票区における投票人名簿に登録された者 | 国民投票の投票権を有する者 |
二人以上五人以下 | 二人 | |
三日 | 十五日 | |
第四十九条第二項 | 投票所 | 期日前投票所 |
その投票区における投票人名簿に登録された者 | 国民投票の投票権を有する者 | |
第四十九条第三項 | 投票区において、二人以上 | 期日前投票所において、二人 |
第五十三条第一項ただし書 | 国民投票の当日投票所 | 第六十条第一項の規定による投票の日、期日前投票所 |
第五十六条第一項 | 国民投票の当日、投票所 | 第六十条第一項の規定による投票の日、期日前投票所 |
第五十七条第一項 及び前条第二項 | 投票所 | 期日前投票所 |
第六十四条 | 第七十四条 | 第六十条第六項において準用する 第七十四条 |
投票所 | 期日前投票所 | |
最後 | 当該投票の日の最後 | |
第六十七条第一項 | 投票所 | 期日前投票所 |
閉鎖しなければ | 閉鎖しなければならない。 ただし、翌日において 引き続き当該投票箱に投票用紙を入れさせる場合においては、その日の期日前投票所を開くべき時刻になったときは、投票管理者は、当該投票箱を開かなければ | |
第六十七条第二項 | できない | できない。 ただし、前項ただし書の規定により投票箱を開いた場合は、この限りでない |
第六十九条 | 投票管理者が 同時に開票管理者である場合を除くほか、投票管理者は、一人 又は数人の投票立会人とともに、国民投票の当日 | 投票管理者は、期日前投票所において、当該期日前投票所を設ける期間の末日に |
を開票管理者 | (以下この条において「投票箱等」という。)を市町村の選挙管理委員会に送致し、当該投票箱等の送致を受けた市町村の選挙管理委員会は、国民投票の期日に、当該投票箱等を開票管理者 |
第五十条から第五十二条まで 及び第七十二条から第七十四条までの規定は、期日前投票所について準用する。
この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第五十条 | 市役所 | 国民投票の期日前十四日に当たる日から 国民投票の期日の前日までの間(二以上の期日前投票所を設ける場合にあっては、一の期日前投票所を除き、市町村の選挙管理委員会の指定した期間)、市役所 |
第五十一条第一項 | 午前七時 | 午前八時三十分 |
第五十一条第一項ただし書 | 投票人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合 又は投票人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り、投票所を開く時刻を二時間以内の範囲内において 繰り上げ 若しくは繰り下げ、又は投票所を閉じる時刻を四時間以内の範囲内において 繰り上げることができる。 | 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める措置をとることができる。 一 当該市町村の選挙管理委員会が設ける期日前投票所の数が一である場合 期日前投票所を開く時刻を二時間以内の範囲内において 繰り上げ、又は期日前投票所を閉じる時刻を二時間以内の範囲内において 繰り下げること。 二 当該市町村の選挙管理委員会が設ける期日前投票所の数が二以上である場合(午前八時三十分から 午後八時までの間において、いずれか一以上の期日前投票所が開いている場合に限る。) 期日前投票所を開く時刻を二時間以内の範囲内において 繰り上げ 若しくは当該時刻を繰り下げ、又は期日前投票所を閉じる時刻を繰り上げ 若しくは当該時刻を二時間以内の範囲内において 繰り下げること。 |
第五十一条第二項 | 通知し、かつ、直ちに その旨を都道府県の選挙管理委員会に届け出なければ | 通知しなければ |
第五十二条第一項 | から 少なくとも五日前に、投票所 | 前十四日に当たる日から 少なくとも五日前に、期日前投票所の場所(二以上の期日前投票所を設ける場合にあっては、期日前投票所の場所 及び当該期日前投票所を設ける期間) |
第五十二条第二項 | 投票所 | 期日前投票所 |
国民投票の当日を除くほか、市町村 | 市町村 |
市町村の選挙管理委員会は、期日前投票所を設ける場合には、当該市町村の人口、地勢、交通等の事情を考慮して、期日前投票所の効果的な設置、期日前投票所への交通手段の確保 その他の投票人の投票の便宜のため必要な措置を講ずるものとする。
第一項の場合において、投票録の作成の方法 その他必要な事項は、政令で定める。
前条第一項の投票人の投票については、同項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第五十三条第一項ただし書、第五十五条、第五十六条第一項、第五十七条第一項、第五十九条 及び第六十三条の規定にかかわらず、不在者投票管理者の管理する投票を記載する場所において、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて不在者投票管理者に提出する方法により行わせることができる。
投票人で身体に重度の障害があるもの(身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第四条に規定する身体障害者、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)第二条第一項に規定する戦傷病者 又は介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第七条第三項に規定する要介護者であるもので、政令で定めるものをいう。)の投票については、前条第一項 及び前項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第五十三条第一項ただし書、第五十五条、第五十六条第一項、第五十七条第一項、第五十九条 及び第六十三条の規定にかかわらず、その現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者、同条第九項に規定する特定信書便事業者 若しくは同法第三条第四号に規定する外国信書便事業者による同法第二条第二項に規定する信書便(以下「郵便等」という。)により送付する方法により行わせることができる。
前項の投票人で同項に規定する方法により投票をしようとするもののうち自ら投票の記載をすることができないものとして政令で定めるものは、第八十二条の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、あらかじめ市町村の選挙管理委員会の委員長に届け出た者(国民投票の投票権を有する者に限る。)をして投票に関する記載をさせることができる。
特定国外派遣組織に属する投票人で国外に滞在するもののうち国民投票の当日前条第一項第一号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの投票については、同項 及び第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第五十三条第一項ただし書、第五十五条、第五十六条第一項、第五十七条第一項、第五十九条 及び第六十三条の規定にかかわらず、国外にある不在者投票管理者の管理する投票を記載する場所において、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて不在者投票管理者に提出する方法により行わせることができる。
前項の特定国外派遣組織とは、法律の規定に基づき国外に派遣される組織のうち次の各号のいずれにも該当する組織であって、当該組織において同項に規定する方法による投票が適正に実施されると認められるものとして政令で定めるものをいう。
当該組織の長が当該組織の運営について管理 又は調整を行うための法令に基づく権限を有すること。
当該組織が国外の特定の施設 又は区域に滞在していること。
特定国外派遣組織となる組織を国外に派遣することを定める法律の規定に基づき国外に派遣される投票人(特定国外派遣組織に属するものを除く。)で、現に特定国外派遣組織が滞在する施設 又は区域に滞在しているものは、この法律の規定の適用については、当該特定国外派遣組織に属する投票人とみなす。
投票人で船舶安全法(昭和八年法律第十一号)にいう遠洋区域を航行区域とする船舶 その他これに準ずるものとして総務省令で定める船舶(以下この項 及び第九項第二号において「指定船舶」という。)に乗って本邦以外の区域を航海する船員(船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条に規定する船員をいい、実習を行うため航海する学生、生徒 その他の者であって船員手帳に準ずる文書の交付を受けているもの(以下この項において「実習生」という。)を含む。)であるもの 又は投票人で指定船舶以外の船舶であって指定船舶に準ずるものとして総務省令で定めるものに乗って本邦以外の区域を航海する船員(船員法第一条に規定する船員をいい、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第九十二条第一項の規定により船員法第二条第二項に規定する予備船員とみなされる者 及び船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第十四条第一項の規定により船員法第二条第二項に規定する予備船員とみなされる者 並びに実習生を含む。)であるもののうち国民投票の当日前条第一項第一号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの投票については、同項 及び第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第五十三条第一項ただし書、第五十五条、第五十六条、第五十七条第一項、第五十九条 及び第六十三条の規定にかかわらず、不在者投票管理者の管理する場所において、総務省令で定める投票送信用紙に投票の記載をし、これを総務省令で指定する市町村の選挙管理委員会の委員長にファクシミリ装置を用いて送信する方法により、行わせることができる。
前項の規定は、同項の投票人で同項の不在者投票管理者の管理する場所において投票をすることができないものとして政令で定めるものであるもののうち国民投票の当日前条第一項第一号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの投票について準用する。
この場合において、
前項中
「不在者投票管理者の管理する場所」とあるのは、
「その現在する場所」と
読み替えるものとする。
国が行う南極地域における科学的調査の業務を行う組織(以下この項において「南極地域調査組織」という。)に属する投票人(南極地域調査組織に同行する投票人で当該南極地域調査組織の長の管理の下に南極地域における活動を行うものを含む。)で次の各号に掲げる施設 又は船舶に滞在するもののうち国民投票の当日前条第一項第一号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの投票については、同項 及び第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第五十三条第一項ただし書、第五十五条、第五十六条、第五十七条第一項、第五十九条 及び第六十三条の規定にかかわらず、その滞在する次の各号に掲げる施設 又は船舶の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場所において総務省令で定める投票送信用紙に投票の記載をし、これを総務省令で指定する市町村の選挙管理委員会の委員長にファクシミリ装置を用いて送信する方法により、行わせることができる。
南極地域にある当該科学的調査の業務の用に供される施設で国が設置するもの
不在者投票管理者の管理する場所
本邦と前号に掲げる施設との間において南極地域調査組織を輸送する船舶で前項の総務省令で定めるもの
この項に規定する方法による投票を行うことについて不在者投票管理者が当該船舶の船長の許可を得た場所
不在者投票管理者は、市町村の選挙管理委員会が選定した者を投票に立ち会わせること その他の方法により、不在者投票の公正な実施の確保に努めなければならない。
在外投票人名簿に登録されている投票人の投票については、第六十条第一項 及び前条第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第五十五条、第五十六条第一項、第五十七条第一項、第五十九条 及び次条の規定にかかわらず、次に掲げるいずれかの方法により行わせることができる。
国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日前六日に当たる日(投票の送致に日数を要する地の在外公館であること その他特別の事情があると認められる場合には、あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日)までの間(あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日を除く。)に、自ら在外公館の長(総務大臣が外務大臣と協議して指定する在外公館の長を除く。以下この号において同じ。)の管理する投票を記載する場所に行き、在外投票人証 又は在外選挙人証 (公職選挙法第三十条の六第四項に規定する在外選挙人証をいう。以下同じ。)及び旅券 その他の政令で定める文書を提示して、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて在外公館の長に提出する方法
当該投票人の現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵便等により送付する方法
在外投票人名簿に登録されている投票人の国内における投票に係る次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第五十三条第一項ただし書 | 投票人名簿 | 在外投票人名簿 |
投票所 | 指定在外投票区の投票所 | |
第五十五条第一項 | 投票所 | 指定在外投票区の投票所 |
第五十五条第二項 | 、投票人名簿 | 、在外投票人証 又は公職選挙法第三十条の六第四項に規定する在外選挙人証を提示して、在外投票人名簿 |
当該投票人名簿 | 当該在外投票人名簿 | |
第二十条第二項 | 第三十三条第二項 | |
書類。第六十九条 及び第七十条において同じ。 | 書類 | |
第五十六条第一項、第五十七条第一項 及び第五十九条第二項 | 投票所 | 指定在外投票区の投票所 |
在外投票人名簿に登録されている投票人の国内における投票については、投票人が登録されている在外投票人名簿の属する市町村の選挙管理委員会が第五十二条の二第一項の規定により共通投票所を設ける場合には、当該市町村の選挙管理委員会が指定した共通投票所において、行わせることができる。
この場合において、次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とし、前項の規定は、適用しない。
第五十二条の二第二項 | 前項の規定により共通投票所を設ける | 第六十二条第三項の規定により共通投票所を指定した |
、投票所 | 、指定在外投票区の投票所 | |
が共通投票所 | が同項の規定により市町村の選挙管理委員会が指定した共通投票所(以下「指定共通投票所」という。) | |
及び共通投票所 | 及び指定共通投票所 | |
が投票所 | が指定在外投票区の投票所 | |
他の共通投票所 | 他の指定共通投票所 | |
第五十二条の二第五項 | 第一項の規定により共通投票所を設ける | 第六十二条第三項の規定により指定共通投票所を指定した |
第五十二条の二第五項の表次条第一項ただし書、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十七条第一項 及び第五十九条第二項の項 | 次条第一項ただし書、第五十五条第一項 | 第五十五条第一項 |
投票所 又は共通投票所 | 指定在外投票区の投票所 又は指定共通投票所 | |
第五十三条第一項ただし書 | 投票人名簿 | 在外投票人名簿 |
投票所 | 指定在外投票区の投票所 又は指定共通投票所 | |
第五十五条第二項 | 、投票人名簿 | 、在外投票人証 又は公職選挙法第三十条の六第四項に規定する在外選挙人証を提示して、在外投票人名簿 |
当該投票人名簿 | 当該在外投票人名簿 | |
第二十条第二項 | 第三十三条第二項 | |
書類。第六十九条 及び第七十条において同じ。 | 書類 |
在外投票人名簿に登録されている投票人の国内における投票のうち、第六十条第一項の規定による投票に係る次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とし、第二項の規定は、適用しない。
第五十五条第二項 | 、投票人名簿 | 、在外投票人証 又は公職選挙法第三十条の六第四項に規定する在外選挙人証を提示して、在外投票人名簿 |
当該投票人名簿 | 当該在外投票人名簿 | |
第二十条第二項 | 第三十三条第二項 | |
書類。第六十九条 及び第七十条において同じ。 | 書類 | |
第六十条第一項 | 期日前投票所 | 市町村の選挙管理委員会の指定した期日前投票所(次項 及び第五項において「指定期日前投票所」という。) |
第六十条第一項第二号 及び第五号 | 投票区 | 指定在外投票区 |
第六十条第一項第六号 | 投票所 | 指定在外投票区の投票所 |
第六十条第二項 | 二以上の期日前投票所を設ける | 前項の規定により二以上の指定期日前投票所を指定した |
期日前投票所において | 指定期日前投票所において | |
第六十条第五項 | 期日前投票所において 投票を行わせる | 指定期日前投票所を指定した |
第六十条第五項の表第五十三条第一項ただし書の項 | 国民投票 | 投票人名簿に登録されるべき旨の決定書 又は確定判決書を所持し、国民投票 |
第六十条第一項 | 在外投票人名簿に登録されるべき旨の決定書 又は確定判決書を所持し、第六十条第一項 | |
期日前投票所 | 指定期日前投票所(第六十二条第四項の規定により読み替えて適用される第六十条第一項に規定する指定期日前投票所をいう。以下第五十九条までにおいて同じ。) | |
第六十条第五項の表第五十六条第一項の項 及び第五十七条第一項 及び前条第二項の項 | 期日前投票所 | 指定期日前投票所 |
在外投票人名簿に登録されている投票人の投票については、前条第二項から第九項までの規定は、適用しない。
投票管理者は、投票をしようとする投票人が本人であるかどうかを確認することができないときは、その本人である旨を宣言させなければならない。
その宣言をしない者は、投票をすることができない。
投票の拒否は、投票立会人の意見を聴き、投票管理者が決定しなければならない。
前項の決定を受けた投票人において不服があるときは、投票管理者は、仮に投票をさせなければならない。
前項の投票は、投票人をしてこれを封筒に入れて封をし、表面に自らその氏名を記載して投票箱に入れさせなければならない。
投票立会人において異議のある投票人についても、また前二項と同様とする。
第七十四条の規定により投票所外に退出させられた者は、最後になって投票をすることができる。
ただし、投票管理者は、投票所の秩序を乱すおそれがないと認める場合においては、投票をさせることを妨げない。
市町村の選挙管理委員会は、国民投票の当日、投票所内の投票の記載をする場所 その他適当な箇所に憲法改正案 及びその要旨の掲示をしなければならない。
ただし、憲法改正案 及びその要旨の掲示が著しく困難である場合においては、当該投票所における国民投票公報の備付けをもって当該掲示に代えることができる。
市町村の選挙管理委員会は、国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日の前日までの間、期日前投票所 及び不在者投票管理者のうち政令で定めるものの管理する投票を記載する場所内の適当な箇所に、憲法改正案 及びその要旨の掲示をしなければならない。
ただし、憲法改正案 及びその要旨の掲示が著しく困難である場合においては、当該期日前投票所 又は投票を記載する場所における国民投票公報の備付けをもって当該掲示に代えることができる。
国民投票広報協議会は、前二項の憲法改正案の要旨を作成したときは、速やかに、これを中央選挙管理会に送付しなければならない。
中央選挙管理会は、前項の送付があったときは、速やかに、これを都道府県の選挙管理委員会を経由して、市町村の選挙管理委員会に送付しなければならない。
前各項に定めるもののほか、第一項 又は第二項の掲示に関し必要な事項は、都道府県の選挙管理委員会が定める。
何人も、投票人のした投票の内容を陳述する義務はない。
投票所を閉じるべき時刻になったときは、投票管理者は、その旨を告げて、投票所の入口を閉鎖し、投票所にある投票人の投票の結了するのを待って、投票箱を閉鎖しなければならない。
何人も、投票箱の閉鎖後は、投票をすることができない。
投票管理者は、投票録を作り、投票に関する次第を記載し、投票立会人とともに、これに署名しなければならない。
投票管理者が同時に開票管理者である場合を除くほか、投票管理者は、一人 又は数人の投票立会人とともに、国民投票の当日、その投票箱、投票録、投票人名簿 又はその抄本 及び在外投票人名簿 又はその抄本(当該在外投票人名簿が第三十三条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製されている場合には、当該在外投票人名簿に記録されている全部 若しくは一部の事項 又は当該事項を記載した書類。以下この条 及び次条において同じ。)を開票管理者に送致しなければならない。
ただし、当該投票人名簿が第二十条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製されている場合で政令で定めるときは投票人名簿 又はその抄本を、当該在外投票人名簿が第三十三条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製されている場合で政令で定めるときは在外投票人名簿 又はその抄本を、それぞれ、送致することを要しない。
島 その他交通不便の地について、国民投票の期日に投票箱を送致することができない状況があると認めるときは、都道府県の選挙管理委員会は、適宜にその投票の期日を定め、開票の期日までにその投票箱、投票録、投票人名簿 又はその抄本 及び在外投票人名簿 又はその抄本を送致させることができる。
天災 その他避けることのできない事故により、投票所において、投票を行うことができないとき 又は更に投票を行う必要があるときは、都道府県の選挙管理委員会は、更に期日を定めて投票を行わせなければならない。
この場合において、都道府県の選挙管理委員会は、直ちにその旨を告示するとともに、更に定めた期日を少なくとも二日前に告示しなければならない。
前項に規定する事由を生じた場合には、市町村の選挙管理委員会は、国民投票分会長を経て都道府県の選挙管理委員会にその旨を届け出なければならない。
投票人、投票所の事務に従事する者、投票所を監視する職権を有する者 又は当該警察官でなければ、投票所に入ることができない。
前項の規定にかかわらず、投票人の同伴する子供(幼児、児童、生徒 その他の年齢満十八年未満の者をいう。以下この項において同じ。)は、投票所に入ることができる。
ただし、投票管理者が、投票人の同伴する子供が投票所に入ることにより生ずる混雑、喧けん騒 その他これらに類する状況から、投票所の秩序を保持することができなくなるおそれがあると認め、その旨を投票人に告知したときは、この限りでない。
投票人を介護する者 その他の投票人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めた者についても、前項本文と同様とする。
投票管理者は、投票所の秩序を保持し、必要があると認めるときは、当該警察官の処分を請求することができる。
投票所において演説討論をし、若しくは喧騒にわたり、又は投票に関し協議 若しくは勧誘をし、その他投票所の秩序を乱す者があるときは、投票管理者は、これを制止し、命に従わないときは投票所外に退出させることができる。
国民投票ごとに、開票管理者を置く。
開票管理者は、国民投票の投票権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会の選任した者をもって、これに充てる。
開票管理者は、開票に関する事務を担任する。
開票管理者は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。
政党等(第百六条第二項に規定する政党等をいう。第四項において同じ。)は、各開票区における投票人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、開票立会人となるべき者一人を定め、国民投票の期日前三日までに、市町村の選挙管理委員会に届け出ることができる。
前項の規定により届出のあった者が、十人を超えないときは直ちにその者をもって開票立会人とし、十人を超えるときは届出のあった者の中から市町村の選挙管理委員会がくじで定めた者十人をもって開票立会人としなければならない。
前項の規定によるくじを行うべき場所 及び日時は、市町村の選挙管理委員会において、あらかじめ告示しなければならない。
第二項の規定による開票立会人が三人に達しないとき 又は国民投票の期日の前日までに三人に達しなくなったときは市町村の選挙管理委員会において、開票立会人が国民投票の期日以後に三人に達しなくなったとき 又は開票立会人で参会する者が開票所を開くべき時刻になっても三人に達しないとき 若しくはその後三人に達しなくなったときは開票管理者において、その開票区における投票人名簿に登録された者の中から三人に達するまでの開票立会人を選任し、直ちにこれを本人に通知し、開票に立ち会わせなければならない。
ただし、同項の規定による開票立会人を届け出た政党等 又は市町村の選挙管理委員会 若しくは開票管理者の選任した開票立会人の属する政党等と同一の政党等に属する者を当該政党等の届出に係る開票立会人 又は市町村の選挙管理委員会 若しくは開票管理者の選任に係る開票立会人と通じて三人以上選任することができない。
開票立会人は、正当な理由がなければ、その職を辞することができない。
開票所は、市役所、町村役場 又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。
市町村の選挙管理委員会は、あらかじめ開票の場所 及び日時を告示しなければならない。
開票は、すべての投票箱の送致を受けた日 又はその翌日に行う。
開票管理者は、開票立会人立会いの上、投票箱を開き、まず第六十三条第三項 及び第五項の規定による投票を調査し、開票立会人の意見を聴き、その投票を受理するかどうかを決定しなければならない。
開票管理者は、開票立会人とともに、各投票所 及び期日前投票所の投票を開票区ごとに混同して、投票を点検しなければならない。
開票管理者は、投票の点検を終わったときは、直ちにその結果を国民投票分会長に報告しなければならない。
投票の効力は、開票立会人の意見を聴き、開票管理者が決定しなければならない。
その決定に当たっては、次条第二号の規定にかかわらず、投票用紙に印刷された反対の文字を×の記号、二重線その他の記号を記載することにより抹消した投票は賛成の投票として、投票用紙に印刷された賛成の文字を×の記号、二重線 その他の記号を記載することにより抹消した投票は反対の投票として、それぞれ有効とするほか、次条の規定に反しない限りにおいて、その投票した投票人の意思が明白であれば、その投票を有効とするようにしなければならない。
次のいずれかに該当する投票は、無効とする。
所定の用紙を用いないもの
○の記号以外の事項を記載したもの
○の記号を自書しないもの
賛成の文字を囲んだ○の記号 及び反対の文字を囲んだ○の記号をともに記載したもの
賛成の文字 又は反対の文字のいずれを囲んで○の記号を記載したかを確認し難いもの
投票人は、その開票所につき、開票の参観を求めることができる。
開票管理者は、開票録を作り、開票に関する次第を記載し、開票立会人とともに、これに署名しなければならない。
投票は、有効無効を区別し、投票録 及び開票録と併せて、市町村の選挙管理委員会において、第百二十七条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日 又は国民投票の期日から五年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、保存しなければならない。
憲法改正案に係る国民投票の一部が無効となり再投票を行った場合の開票においては、その投票の効力を決定しなければならない。
第七十一条第一項前段 及び第二項の規定は、開票について準用する。
第七十二条第一項、第七十三条 及び第七十四条の規定は、開票所の取締りについて準用する。
第六節 国民投票分会及び国民投票会
国民投票に際し、都道府県ごとに、国民投票分会長を置く。
国民投票分会長は、国民投票の投票権を有する者の中から都道府県の選挙管理委員会の選任した者をもって、これに充てる。
国民投票分会長は、国民投票分会に関する事務を担任する。
国民投票分会長は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。
第七十六条の規定は、国民投票分会立会人について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「各開票区における投票人名簿に登録された者」とあるのは
「国民投票の投票権を有する者」と、
「市町村の選挙管理委員会」とあるのは
「国民投票分会長」と、
同条第二項 及び第三項中
「市町村の選挙管理委員会」とあるのは
「国民投票分会長」と、
同条第四項中
「又は国民投票の期日の前日までに三人に達しなくなったときは市町村の選挙管理委員会において、開票立会人が国民投票の期日以後に三人に達しなくなったとき」とあるのは
「、国民投票分会の期日までに三人に達しなくなったとき」と、
「開票所」とあるのは
「国民投票分会」と、
「開票管理者」とあるのは
「、国民投票分会長」と、
「その開票区における投票人名簿に登録された者」とあるのは
「国民投票の投票権を有する者」と、
「開票に」とあるのは
「国民投票分会に」と、
「市町村の選挙管理委員会 若しくは開票管理者」とあるのは
「国民投票分会長」と
読み替えるものとする。
国民投票分会は、都道府県庁 又は都道府県の選挙管理委員会の指定した場所で開く。
都道府県の選挙管理委員会は、あらかじめ国民投票分会の場所 及び日時を告示しなければならない。
国民投票分会長は、都道府県の区域内におけるすべての開票管理者から第八十条第三項の規定による報告を受けた日 又はその翌日に国民投票分会を開き、国民投票分会立会人立会いの上、その報告を調査しなければならない。
国民投票分会長は、憲法改正案に係る国民投票の一部が無効となり再投票を行った場合において第八十条第三項の規定による報告を受けたときは、前項の規定の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査しなければならない。
国民投票分会長は、国民投票分会録を作り、国民投票分会に関する次第を記載し、国民投票分会立会人とともに、これに署名しなければならない。
国民投票分会録は、第八十条第三項の規定による報告に関する書類と併せて、都道府県の選挙管理委員会において、第百二十七条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日 又は国民投票の期日から五年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、保存しなければならない。
国民投票分会長は、第九十一条第三項 及び第四項の規定による調査を終わったときは、国民投票分会録の写しを添えて、直ちにその結果を国民投票長に報告しなければならない。
国民投票に際し、国民投票長を置く。
国民投票長は、国民投票の投票権を有する者の中から中央選挙管理会の選任した者をもって、これに充てる。
国民投票長は、国民投票会に関する事務を担任する。
国民投票長は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。
第七十六条の規定は、国民投票会立会人について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「各開票区における投票人名簿に登録された者」とあるのは
「国民投票の投票権を有する者」と、
「市町村の選挙管理委員会」とあるのは
「国民投票長」と、
同条第二項 及び第三項中
「市町村の選挙管理委員会」とあるのは
「国民投票長」と、
同条第四項中
「又は国民投票の期日の前日までに三人に達しなくなったときは市町村の選挙管理委員会において、開票立会人が国民投票の期日以後に三人に達しなくなったとき」とあるのは
「、国民投票会の期日までに三人に達しなくなったとき」と、
「開票所」とあるのは
「国民投票会」と、
「開票管理者」とあるのは
「、国民投票長」と、
「その開票区における投票人名簿に登録された者」とあるのは
「国民投票の投票権を有する者」と、
「開票に」とあるのは
「国民投票会に」と、
「市町村の選挙管理委員会 若しくは開票管理者」とあるのは
「国民投票長」と
読み替えるものとする。
国民投票会は、中央選挙管理会の指定した場所で開く。
中央選挙管理会は、あらかじめ国民投票会の場所 及び日時を告示しなければならない。
国民投票長は、すべての国民投票分会長から第九十三条の規定による報告を受けた日 又はその翌日に国民投票会を開き、国民投票会立会人立会いの上、その報告を調査しなければならない。
国民投票長は、憲法改正案に係る国民投票の一部が無効となり再投票を行った場合において第九十三条の規定による報告を受けたときは、前項の規定の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査しなければならない。
国民投票長は、国民投票録を作り、国民投票会に関する次第を記載し、国民投票会立会人とともに、これに署名しなければならない。
国民投票録は、第九十三条の規定による報告に関する書類と併せて、中央選挙管理会において、第百二十七条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日 又は国民投票の期日から五年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、保存しなければならない。
国民投票長は、第九十六条第三項 及び第四項の規定による調査を終わったときは、国民投票録の写しを添えて、直ちにその結果を中央選挙管理会に報告しなければならない。
中央選挙管理会は、前項 又は第百三十五条第六項後段の報告を受けたときは、直ちに憲法改正案に対する賛成の投票の数 及び反対の投票の数、投票総数(憲法改正案に対する賛成の投票の数 及び反対の投票の数を合計した数をいう。)並びに憲法改正案に対する賛成の投票の数が当該投票総数の二分の一を超える旨 又は超えない旨を官報で告示するとともに、総務大臣を通じ内閣総理大臣に通知しなければならない。
内閣総理大臣は、前項の通知を受けたときは、直ちに同項に規定する事項を衆議院議長 及び参議院議長に通知しなければならない。
第七十一条第一項前段、第七十二条第一項、第七十三条 及び第七十四条 並びに公職選挙法第八十二条の規定は、国民投票分会 及び国民投票会について準用する。
この場合において、
第七十一条第一項前段中
「都道府県の選挙管理委員会は」とあるのは、
「国民投票分会に関しては都道府県の選挙管理委員会は、国民投票会に関しては中央選挙管理会は」と
読み替えるものとする。
第七節 国民投票運動
この節 及び次節の規定の適用に当たっては、表現の自由、学問の自由 及び政治活動の自由 その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。
公務員(日本銀行の役員(日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第二十六条第一項に規定する役員をいう。)を含み、第百二条各号に掲げる者を除く。以下この条において同じ。)は、公務員の政治的目的をもって行われる政治的行為 又は積極的な政治運動 若しくは政治活動 その他の行為(以下この条において単に「政治的行為」という。)を禁止する他の法令の規定(以下この条において「政治的行為禁止規定」という。)にかかわらず、国会が憲法改正を発議した日から国民投票の期日までの間、国民投票運動(憲法改正案に対し賛成 又は反対の投票をし 又はしないよう勧誘する行為をいう。以下同じ。)及び憲法改正に関する意見の表明をすることができる。
ただし、政治的行為禁止規定により禁止されている他の政治的行為を伴う場合は、この限りでない。
投票管理者、開票管理者、国民投票分会長 及び国民投票長は、在職中、その関係区域内において、国民投票運動をすることができない。
第六十一条の規定による投票に関し、不在者投票管理者は、その者の業務上の地位を利用して国民投票運動をすることができない。
次に掲げる者は、在職中、国民投票運動をすることができない。
中央選挙管理会の委員 及び中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員 並びに選挙管理委員会の委員 及び職員
国民投票広報協議会事務局の職員
裁判官
検察官
国家公安委員会 又は都道府県公安委員会 若しくは方面公安委員会の委員
警察官
国 若しくは地方公共団体の公務員 若しくは行政執行法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人をいう。第百十一条において同じ。)若しくは特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人をいう。第百十一条において同じ。)の役員 若しくは職員 又は公職選挙法第百三十六条の二第一項第二号に規定する公庫の役職員は、その地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力 又は便益を利用して、国民投票運動をすることができない。
教育者(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する学校 及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)に規定する幼保連携型認定こども園の長 及び教員をいう。)は、学校の児童、生徒 及び学生に対する教育上の地位にあるために特に国民投票運動を効果的に行い得る影響力 又は便益を利用して、国民投票運動をすることができない。
放送事業者(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二十六号に規定する放送事業者をいい、日本放送協会 及び放送大学学園(放送大学学園法(平成十四年法律第百五十六号)第三条に規定する放送大学学園をいう。第百六条第一項において同じ。)を除く。次条において同じ。)は、国民投票に関する放送については、放送法第四条第一項の規定の趣旨に留意するものとする。
何人も、国民投票の期日前 十四日に当たる日から国民投票の期日までの間においては、次条の規定による場合を除くほか、放送事業者の放送設備を使用して、国民投票運動のための広告放送をし、又はさせることができない。
国民投票広報協議会は、両議院の議長が協議して定めるところにより、日本放送協会 及び基幹放送事業者(放送法第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者をいい、日本放送協会 及び放送大学学園を除く。第四項 及び第八項において同じ。)のラジオ放送 又はテレビジョン放送(同条第十六号に規定する中波放送 又は同条第十八号に規定するテレビジョン放送をいう。)の放送設備により、憲法改正案の広報のための放送をするものとする。
前項の放送は、国民投票広報協議会が行う憲法改正案 及びその要旨 その他参考となるべき事項の広報 並びに憲法改正案に対する賛成の政党等(一人以上の衆議院議員 又は参議院議員が所属する政党 その他の政治団体であって両議院の議長が協議して定めるところにより国民投票広報協議会に届け出たものをいう。以下この条 及び次条において同じ。)及び反対の政党等が行う意見の広告からなるものとする。
第一項の放送において、国民投票広報協議会は、憲法改正案 及びその要旨 その他参考となるべき事項の広報を客観的かつ中立的に行うものとする。
第一項の放送において、政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、憲法改正案に対する賛成 又は反対の意見を無料で放送することができる。
この場合において、日本放送協会 及び基幹放送事業者は、政党等が録音し、又は録画した意見をそのまま放送しなければならない。
政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、両議院の議長が協議して定める額の範囲内で、前項の意見の放送のための録音 又は録画を無料ですることができる。
第一項の放送に関しては、憲法改正案に対する賛成の政党等 及び反対の政党等の双方に対して同一の時間数 及び同等の時間帯を与える等同等の利便を提供しなければならない。
第一項の放送において意見の放送をすることができる政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、当該放送の一部を、その指名する団体に行わせることができる。
第一項の放送の回数 及び日時は、国民投票広報協議会が日本放送協会 及び当該放送を行う基幹放送事業者と協議の上、定める。
国民投票広報協議会は、両議院の議長が協議して定めるところにより、新聞に、憲法改正案の広報のための広告をするものとする。
前項の広告は、国民投票広報協議会が行う憲法改正案 及びその要旨 その他参考となるべき事項の広報 並びに憲法改正案に対する賛成の政党等 及び反対の政党等が行う意見の広告からなるものとする。
第一項の広告において、国民投票広報協議会は、憲法改正案 及びその要旨 その他参考となるべき事項の広報を客観的かつ中立的に行うものとする。
第一項の広告において、政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、無料で、憲法改正案に対する賛成 又は反対の意見の広告をすることができる。
第一項の広告に関しては、憲法改正案に対する賛成の政党等 及び反対の政党等の双方に対して同一の寸法 及び回数を与える等同等の利便を提供しなければならない。
第一項の広告において意見の広告をすることができる政党等は、両議院の議長が協議して定めるところにより、当該広告の一部を、その指名する団体に行わせることができる。
公職選挙法第二百一条の五から第二百一条の九までの規定は、これらの条に掲げる選挙が行われる場合において、政党 その他の政治活動を行う団体が、国民投票運動を行うことを妨げるものではない。
第八節 罰則
国民投票に関し、次に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役 若しくは禁錮 又は五十万円以下の罰金に処する。
組織により、多数の投票人に対し、憲法改正案に対する賛成 又は反対の投票をし 又はしないようその旨を明示して勧誘して、その投票をし 又はしないことの報酬として、金銭 若しくは憲法改正案に対する賛成 若しくは反対の投票をし 若しくはしないことに影響を与えるに足りる物品 その他の財産上の利益(多数の者に対する意見の表明の手段として通常用いられないものに限る。)若しくは公私の職務の供与をし、若しくはその供与の申込み 若しくは約束をし、又は憲法改正案に対する賛成 若しくは反対の投票をし 若しくはしないことに影響を与えるに足りる供応接待をし、若しくはその申込み 若しくは約束をしたとき。
組織により、多数の投票人に対し、憲法改正案に対する賛成 又は反対の投票をし 又はしないようその旨を明示して勧誘して、その投票をし 又はしないことの報酬として、その者 又はその者と関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附 その他特殊の直接利害関係を利用して憲法改正案に対する賛成 又は反対の投票をし 又はしないことに影響を与えるに足りる誘導をしたとき。
前二号に掲げる行為をさせる目的をもって国民投票運動をする者に対し金銭 若しくは物品の交付をし、若しくはその交付の申込み 若しくは約束をし、又は国民投票運動をする者がその交付を受け、その交付を要求し 若しくはその申込みを承諾したとき。
前条の場合において収受し、又は交付を受けた利益は、没収する。
その全部 又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
国民投票に関し、国 若しくは地方公共団体の公務員、行政執行法人 若しくは特定地方独立行政法人の役員 若しくは職員、中央選挙管理会の委員 若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員 若しくは職員、国民投票広報協議会事務局の職員、投票管理者、開票管理者 又は国民投票分会長 若しくは国民投票長が故意にその職務の執行を怠り、又は正当な理由がなくて国民投票運動をする者に追随し、その居宅に立ち入る等その職権を濫用して国民投票の自由を妨害したときは、四年以下の禁錮に処する。
国 若しくは地方公共団体の公務員、行政執行法人 若しくは特定地方独立行政法人の役員 若しくは職員、中央選挙管理会の委員 若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員 若しくは職員、国民投票広報協議会事務局の職員、投票管理者、開票管理者 又は国民投票分会長 若しくは国民投票長が、投票人に対し、その投票しようとし、又は投票した内容の表示を求めたときは、六月以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
中央選挙管理会の委員 若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員 若しくは職員、投票管理者、開票管理者、国民投票分会長 若しくは国民投票長、国民投票事務に関係のある国 若しくは地方公共団体の公務員、立会人(第五十九条第二項の規定により投票を補助すべき者 及び第六十一条第三項の規定により投票に関する記載をすべき者を含む。以下同じ。)又は監視者(投票所(第五十二条の二第一項に規定する共通投票所 及び第六十条第一項に規定する期日前投票所を含む。次条第一項、第百十四条 及び第百十六条において同じ。)、開票所、国民投票分会場 又は国民投票会場を監視する職権を有する者をいう。以下同じ。)が投票人の投票した内容を表示したときは、二年以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
その表示した事実が虚偽であるときも、また同様とする。
投票所 又は開票所において、正当な理由がなくて、投票人の投票に干渉し、又は投票の内容を認知する方法を行った者は、一年以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
法令の規定によらないで、投票箱を開き、又は投票箱の投票を取り出した者は、三年以下の懲役 若しくは禁錮 又は五十万円以下の罰金に処する。
投票管理者、開票管理者、国民投票分会長、国民投票長、立会人 若しくは監視者に暴行 若しくは脅迫を加え、投票所、開票所、国民投票分会場 若しくは国民投票会場を騒擾し、又は投票、投票箱 その他関係書類(関係の電磁的記録媒体(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって電子計算機による情報処理の用に供されるものに係る記録媒体をいう。)を含む。)を抑留し、損ない、若しくは奪取した者は、四年以下の懲役 又は禁錮に処する。
多衆集合して前条の罪を犯した者は、次の区別に従って処断する。
首謀者は、一年以上七年以下の懲役 又は禁錮に処する。
他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、六月以上五年以下の懲役 又は禁錮に処する。
付和随行した者は、二十万円以下の罰金 又は科料に処する。
前項の罪を犯すため多衆集合し当該公務員から解散の命令を受けることが三回以上に及んでもなお解散しないときは、首謀者は、二年以下の禁錮に処し、その他の者は、二十万円以下の罰金 又は科料に処する。
銃砲、刀剣、こん棒 その他人を殺傷するに足るべき物件を携帯して投票所、開票所、国民投票分会場 又は国民投票会場に入った者は、三年以下の禁錮 又は五十万円以下の罰金に処する。
前条の罪を犯した場合においては、その携帯した物件を没収する。
詐偽の方法をもって投票人名簿 又は在外投票人名簿に登録をさせた者は、六月以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
投票人名簿に登録をさせる目的をもって住民基本台帳法第二十二条の規定による届出に関し虚偽の届出をすることによって投票人名簿に登録をさせた者も、前項と同様とする。
在外投票人名簿に登録させる目的をもって公職選挙法第三十条の五第一項 又は第四項の規定による申請に関し虚偽の申請をすることによって在外投票人名簿に登録をさせた者も、第一項と同様とする。
第六十三条第一項の場合において虚偽の宣言をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
第二十九条の三第三項(第四十二条の二において準用する場合を含む。)又は第二十九条の三第四項(第四十二条の二において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、六月以下の懲役 又は三十万円以下の罰金に処する。
第二十九条の三第五項(第四十二条の二において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
投票人でない者が投票をしたときは、一年以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
氏名を詐称し、その他詐偽の方法をもって投票し、又は投票しようとした者は、二年以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
投票を偽造し、又はその数を増減した者は、三年以下の懲役 若しくは禁錮 又は五十万円以下の罰金に処する。
中央選挙管理会の委員 若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員 若しくは職員、国民投票広報協議会事務局の職員、投票管理者、開票管理者、国民投票分会長 若しくは国民投票長、国民投票事務に関係のある国 若しくは地方公共団体の公務員、立会人 又は監視者が前項の罪を犯したときは、五年以下の懲役 若しくは禁錮 又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十九条第二項の規定により賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者が投票人の指示する賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載しなかったときは、二年以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
第六十一条第三項の規定により投票に関する記載をすべき者が投票人の指示する賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載しなかったときは、二年以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
前項に規定するもののほか、第六十一条第三項の規定により投票に関する記載をすべき者が、投票を無効とする目的をもって、投票に関する記載をせず、又は虚偽の記載をしたときも、前項と同様とする。
立会人が、正当な理由がなくてこの法律に規定する義務を欠くときは、二十万円以下の罰金に処する。
第百一条 又は第百二条の規定に違反して国民投票運動をした者は、六月以下の禁錮 又は三十万円以下の罰金に処する。
第六十一条第一項の規定による投票については、その投票を管理すべき者は投票管理者と、その投票を記載すべき場所は投票所と、その投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第五十九条第二項の規定により賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
第六十一条第二項の規定による投票については、投票人が投票の記載の準備に着手してから投票を記載した投票用紙を郵便等により送付するためこれを封入するまでの間における当該投票に関する行為を行う場所を投票所とみなして、第百十三条第一項の規定を適用する。
第六十一条第四項の規定による投票については、その投票を管理すべき者は投票管理者と、その投票を記載すべき場所は投票所と、その投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第五十九条第二項の規定により賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
第六十一条第七項の規定による投票については、船舶において投票を管理すべき者 及び投票を受信すべき市町村の選挙管理委員会の委員長は投票管理者と、投票の記載をし、これを送信すべき場所 及び投票を受信すべき場所は投票所と、投票を受信すべきファクシミリ装置は投票箱と、船舶において投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第五十九条第二項の規定により賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
第六十一条第八項において準用する同条第七項の規定による投票については、投票を受信すべき市町村の選挙管理委員会の委員長は投票管理者と、投票の記載をし、これを送信すべき場所 及び投票を受信すべき場所は投票所と、投票を受信すべきファクシミリ装置は投票箱とみなして、この節の規定を適用する。
第六十一条第九項の規定による投票については、同項の施設 又は船舶において投票を管理すべき者 及び投票を受信すべき市町村の選挙管理委員会の委員長は投票管理者と、投票の記載をし、これを送信すべき場所 及び投票を受信すべき場所は投票所と、投票を受信すべきファクシミリ装置は投票箱と、同項の施設 又は船舶において投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第五十九条第二項の規定により賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
第三十六条第二項 及び第三項に規定する在外投票人名簿の登録の申請の経由に係る事務、第六十二条第一項第一号に規定する在外投票に係る事務 その他のこの法律 及びこの法律に基づく命令により在外公館の長に属させられた事務に従事する在外公館の長 及び職員 並びに第三十六条第二項 及び第三項に規定する在外投票人名簿の登録の申請の経由に係る事務に従事する者は、第百二条、第百十一条、第百十二条 及び第百十九条第四項に規定する選挙管理委員会の職員とみなして、この節の規定を適用する。
第六十二条第一項第一号の規定による投票については、その投票を管理すべき在外公館の長は投票管理者(第百十四条に規定する投票管理者に限る。)と、その投票を記載すべき場所は投票所と、その投票に立ち会うべき者は投票立会人と、投票人が指示する賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者は第五十九条第二項の規定により賛成の文字 又は反対の文字を囲んで○の記号を記載すべきものと定められた者とみなして、この節の規定を適用する。
第六十二条第一項第二号の規定による投票については、投票人が投票の記載の準備に着手してから投票を記載した投票用紙を郵便等により送付するためこれを封入するまでの間における当該投票に関する行為を行う場所を投票所とみなして、第百十三条第一項の規定を適用する。
第百九条、第百十一条、第百十二条、第百十三条第一項、第百十四条から第百十六条まで、第百十九条から第百二十一条まで 及び第百二十二条(第百一条第二項 又は第百二条の規定に違反して国民投票運動をした者に係る部分に限る。)の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条の例に従う。
次の各号のいずれかに該当する者は、第百十八条の二の規定により刑を科すべき場合を除き、三十万円以下の過料に処する。
偽り その他不正の手段により、第二十九条の二第一項(第四十二条の二において準用する場合を含む。)の規定による投票人名簿の抄本 又は在外投票人名簿の抄本の閲覧をした者
第二十九条の三第一項(第四十二条の二において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
前項の規定による過料についての裁判は、簡易裁判所がする。
第三章 国民投票の効果
国民投票において、憲法改正案に対する賛成の投票の数が第九十八条第二項に規定する投票総数の二分の一を超えた場合は、当該憲法改正について日本国憲法第九十六条第一項の国民の承認があったものとする。
内閣総理大臣は、第九十八条第二項の規定により、憲法改正案に対する賛成の投票の数が同項に規定する投票総数の二分の一を超える旨の通知を受けたときは、直ちに当該憲法改正の公布のための手続を執らなければならない。
第四章 国民投票無効の訴訟等
第一節 国民投票無効の訴訟
国民投票に関し異議がある投票人は、中央選挙管理会を被告として、第九十八条第二項の規定による告示の日から三十日以内に、東京高等裁判所に訴訟を提起することができる。
前条の規定による訴訟の提起があった場合において、次に掲げる事項があり、そのために憲法改正案に係る国民投票の結果(憲法改正案に対する賛成の投票の数が第九十八条第二項に規定する投票総数の二分の一を超えること 又は超えないことをいう。第百三十五条において同じ。)に異動を及ぼすおそれがあるときは、裁判所は、その国民投票の全部 又は一部の無効を判決しなければならない。
国民投票の管理執行に当たる機関が国民投票の管理執行につき遵守すべき手続に関する規定に違反したこと。
第百一条、第百二条、第百九条 及び第百十一条から第百十三条までの規定について、多数の投票人が一般にその自由な判断による投票を妨げられたといえる重大な違反があったこと。
憲法改正案に対する賛成の投票の数 又は反対の投票の数の確定に関する判断に誤りがあったこと。
前項第一号の国民投票の管理執行に当たる機関には、国民投票広報協議会を含まないものとする。
第百二十七条の規定による訴訟については、裁判所は、他の訴訟の順序にかかわらず速やかにその裁判をしなければならない。
当事者、代理人 その他の第百二十七条の規定による訴訟に関与する者は、前項の趣旨を踏まえ、充実した審理を特に迅速に行うことができるよう、裁判所に協力しなければならない。
第百二十七条の規定による訴訟の提起があっても、憲法改正案に係る国民投票の効力は、停止しない。
第百二十七条の規定による訴訟については、行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第四十三条の規定にかかわらず、同法第十三条、第十九条から第二十一条まで、第二十五条から第二十九条まで、第三十一条 及び第三十四条の規定は、準用せず、また、同法第十六条から第十八条までの規定は、第百二十七条の規定により憲法改正案に係る国民投票の無効を求める数個の請求に関してのみ準用する。
第百二十七条の規定による訴訟が提起されたときは、裁判所の長は、その旨を、総務大臣 及び中央選挙管理会に通知しなければならない。
その訴訟が係属しなくなったときも、また同様とする。
第百二十七条の規定による訴訟につき判決が確定したときは、裁判所の長は、その判決書の謄本を、総務大臣 及び中央選挙管理会 並びに衆議院議長 及び参議院議長に送付しなければならない。
憲法改正が無効とされることにより生ずる重大な支障を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、憲法改正の効果の発生の全部 又は一部の停止をするものとする。
ただし、本案について理由がないとみえるときは、この限りでない。
前項の規定による憲法改正の効果の発生を停止する決定が確定したときは、憲法改正の効果の発生は、本案に係る判決が確定するまでの間、停止する。
第一項の決定は、第三者に対しても効力を有する。
第一項の決定の管轄裁判所は、本案の係属する裁判所とする。
第一項の決定は、疎明に基づいてする。
第一項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。
ただし、あらかじめ、当事者の意見を聴かなければならない。
第百二十七条の規定による訴訟の結果憲法改正案に係る国民投票を無効とする判決が確定したとき 又は前条第一項の規定による憲法改正の効果の発生を停止する決定が確定したとき 若しくはその決定が効力を失ったときは、中央選挙管理会は、直ちにその旨を官報で告示するとともに、総務大臣を通じ内閣総理大臣に通知しなければならない。
内閣総理大臣は、前項の通知を受けたときは、直ちにこれを衆議院議長 及び参議院議長に通知しなければならない。
第二節 再投票及び更正決定
第百二十七条の規定による訴訟の結果、憲法改正案に係る国民投票の全部 又は一部が無効となった場合(第六項の規定により憲法改正案に係る国民投票の結果を定める場合を除く。)においては、更に国民投票を行わなければならない。
第百二十七条の規定による訴訟を提起することができる期間 又は同条の規定による訴訟が裁判所に係属している間は、前項の規定による国民投票を行うことができない。
第一項の規定による国民投票は、これを行うべき事由が生じた日から起算して六十日以後百八十日以内において、国会の議決した期日に行う。
内閣は、国会法第六十五条第一項の規定により国民投票の再投票の期日に係る議案の送付を受けたときは、速やかに、総務大臣を経由して、当該国民投票の再投票の期日を中央選挙管理会に通知しなければならない。
中央選挙管理会は、前項の通知があったときは、速やかに、国民投票の再投票の期日を官報で告示しなければならない。
第百二十七条の規定による訴訟の結果、憲法改正案に係る国民投票の全部 又は一部が無効となった場合において、更に国民投票を行わないで当該憲法改正案に係る国民投票の結果を定めることができるときは、国民投票会を開き、これを定めなければならない。
この場合においては、国民投票長は、国民投票録の写しを添えて、直ちにその憲法改正案に係る国民投票の結果を中央選挙管理会に報告しなければならない。
第五章 補則
国民投票に関する次に掲げる費用 その他の国民投票に関する一切の費用は、国庫の負担とする。
投票人名簿 及び在外投票人名簿の調製に要する費用(投票人名簿 及び在外投票人名簿を調製するために必要な情報システムの構築 及び維持管理に要する費用を含む。)
開票所に要する費用
国民投票分会 及び国民投票会に要する費用
投票所等における憲法改正案等の掲示に要する費用
憲法改正案の広報に要する費用
国民投票の方法に関する周知に要する費用
第百六条 及び第百七条の規定による放送 及び新聞広告に要する費用
不在者投票に要する費用
在外投票に要する費用
前条の負担に係る地方公共団体に対する支出金の額は、国民投票事務の円滑な執行を確保するため、地方公共団体が当該事務を行うために必要でかつ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。
前項の支出金は、その支出金を財源とする経費の支出時期に遅れないように、これを支出しなければならない。
この法律の規定による処分 その他公権力の行使に当たる行為については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章、第三章 及び第四章の二の規定は、適用しない。
この法律の規定による処分 その他公権力の行使に当たる行為 又はその不作為については、審査請求をすることができない。
この法律中市に関する規定は、特別区に適用する。
この法律の規定の適用については政令で定めるところにより、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の区 及び総合区は市と、指定都市の区 及び総合区の選挙管理委員会 及び選挙管理委員は市の選挙管理委員会 及び選挙管理委員とみなす。
この法律に規定する国民投票に関する期日の国外における取扱い(第六十一条第一項、第四項 及び第七項から第九項までの規定による投票に関するものを除く。)については、政令で定める。
この法律 又はこの法律に基づく命令の規定により総務大臣、中央選挙管理会、選挙管理委員会、投票管理者、開票管理者、国民投票分会長、国民投票長等に対して行う届出、請求、申出 その他の行為は、午前八時三十分から午後五時までの間に行わなければならない。
ただし、次に掲げる行為は、当該市町村の選挙管理委員会の職員につき定められている執務時間内に行わなければならない。
第二十九条の二第一項の規定による投票人名簿の抄本の閲覧の申出(地方公共団体の休日に行われるものを除く。)
第三十条において準用する公職選挙法第二十九条第二項の規定による投票人名簿の修正に関する調査の請求
第四十二条の二において準用する第二十九条の二第一項の規定による在外投票人名簿の抄本の閲覧の申出(地方公共団体の休日に行われるものを除く。)
第四十三条第二項において準用する公職選挙法第二十九条第二項の規定による在外投票人名簿の修正に関する調査の請求
前項の規定にかかわらず、第六十一条第一項、第四項 若しくは第七項から第九項までの規定による投票に関し国外において行う行為、第六十二条第一項第一号の規定による投票 又はこの法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定により在外公館の長に対して行う行為は、政令で定める時間内に行わなければならない。
前条第一項の規定にかかわらず、第六十一条第一項、第四項、第七項 又は第八項の規定による投票に関し不在者投票管理者等に対してする行為(国外においてするものを除く。次項において同じ。)のうち政令で定めるものは、午前八時三十分から午後八時(当該行為を行おうとする地の市町村の選挙管理委員会が地域の実情等を考慮して午後五時から午後八時までの間でこれと異なる時刻を定めている場合にあっては、当該定められている時刻)までの間にすることができる。
前条第一項の規定にかかわらず、第六十一条第一項、第四項、第七項 又は第八項の規定による投票に関し不在者投票管理者等に対してする行為のうち政令で定めるものは、当該行為を行おうとする地の市町村の選挙管理委員会の職員につき定められている執務時間内にしなければならない。
この法律 又はこの法律に基づく命令の規定によって総務大臣、中央選挙管理会 又は選挙管理委員会に対してする届出、請求、申出 その他の行為(内閣総理大臣、選挙管理委員会等が総務大臣 又は選挙管理委員会に対してする行為を含む。)の期限については、行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第二条本文 及び地方自治法第四条の二第四項本文の規定は、適用しない。
憲法改正案に係る国民投票の一部無効による再投票については、この法律に特別の規定があるものを除くほか、当該再投票の行われる区域等に応じて政令で特別の定めをすることができる。
第六十二条第一項第一号の規定による投票を同号に定める期間内に行わせることができないときは、更に投票を行わせることは、しないものとする。
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続 及び費用の負担 その他その施行に関し必要な事項は、政令で定める。
都道府県 又は市町村の選挙管理委員会が、都道府県知事 又は市町村長の承認を得て、当該都道府県 又は市町村の補助機関たる職員に国民投票に関する事務を委嘱したときは、これらの職員は、忠実にその事務を執行しなければならない。
市町村の委託を受けて行う投票人名簿 又は在外投票人名簿に関する事務の処理に従事している者 又は従事していた者は、その事務に関して知り得た事項をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。
この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。